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【怖い?】LGBTであることをカミングアウトしない理由とは?

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カミングアウトは最大の難関

近年、LGBT当事者を取り巻く環境は変わりつつあります。欧米ではLGBTというだけで家を追い出されたり、最悪殺されたりなどという激しい差別がありますが、日本国内ではどうでしょうか。

2015年に行われた「社会の中で同性愛を見るとどう思うか」というアンケートによると、「良い事だと思う」が9%、「構いません」が68%と、8割近い日本人がLGBTに対して寛容であるという結果が出ています。

しかし、LGBT当事者にとって、自分がLGBTであることをなかなかカミングアウトできずにいる方が多いです。事実、半数以上の人がカミングアウトをしていない若しくはパートナー、親しい友人、家族などごく限られた範囲の人にしかカミングアウトをしていません。

いったいなぜでしょうか。

カミングアウトしない理由

1.一番怖い「無関心」

先ほど、アンケートの結果で約7割が「構いません」と回答したと紹介ました。一見寛容そうに見える回答ですが、実は無関心であることの裏返しとも取れてしまいます。つまり、存在しないものとして扱ってしまうのです。LGBT当事者にとって、これほど辛いことはないでしょう。

カミングアウトした瞬間、自分という存在がなくなってしまうかのような恐怖感を直感的に抱いているがゆえに、カミングアウトできない方も多いようです。

2.偏見の目で見られたくない

LGBTという言葉は、主にメディアによって世間に広まりました。しかし、世間の認知度が上がったことについてはいいのですが、その分偏見を与えてしまうことにもなりました。

TV等で出演するLGBTの芸能人は、歯に衣を着せない発言をするなど、「個性的である」ということを売りにしている方が多くいます。

そのため、カミングアウトする事により、「LGBT→個性的→奇抜な発言・発想の持ち主」という偏見の目で見られてしまうケースが少なくありません。

もちろん多くのLGBT当事者の方は、一般人と何も変わらず「普通の方」が大多数です。一部メディアが植え付けた「誤ったイメージ」も、カミングアウトをし辛くさせている要因の一つといえるでしょう。

3.差別を受けたくない

欧米諸国ほど激しくないですが、日本でもLGBT当事者を差別する風潮があります。具体的には、人間関係を断ち切られる、仕事を辞めさせられるなどです。

もともと日本では、古来より男色文化があるなど同性愛に関しては寛容的な国でありましたが、ペリーの黒船以来西洋文化が流入し、徐々に形を変えて行きました。

4.カミングアウトしなくても影響が無い

一方、カミングアウトしなくても全く影響が無いと考えている方もいます。例えば、職場は仕事に対する評価をしてもらっているわけなので、LGBTであることは全く関係ないため、ほとんど影響しないというのです。

事情は人それぞれ

カミングアウトは、LGBT当事者にとって非常に切実な問題です。日本という国は、一見してLGBTに寛容そうに見えますが、実はそうではなく、たくさんのLGBT当事者が生き辛さを感じています。

そして、その事情は十人十色です。

本当の意味でこの国が寛容になるのは、もう少し時間がかかるかもしれません。

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