気軽にLINE相談も。急増するLGBTカウンセリング
急増するLGBT関連相談件数
「にじいろtalk-talk」は、北海道に拠点を持つNPO法人「L-Port」が2018年11月から開始した、セクシャルマイノリティ専門のカウンセリングサービスです。
このサービスでは、生まれ持った性別への違和感、恋愛、いじめ、就職など、LGBT当事者が抱える悩みに寄り添い、心のケアを行ってきました。
利用者も増えて運営は順調に見えましたが、サービス開始から1年も経たないうちに存続の危機に瀕してしまいました。
いったい、何が起こったのか想像つきますか?
相談件数があまりにも多いため、運営資金が尽きてしまったのです。
このサービスは、LINEの「1:1トーク機能」を活用したカウンセリング方式を取っているため、10~20代の若年層に人気がありました。
L-Portが以前から行っている電話サービスでは、相談件数は5年間で183件(内9割は40~60代)だったため、「にじいろtalk-talk」を開始した当初は、電話サービスと同程度の相談件数と想定されていました。
しかし、サービスが開始されてからわずか半年で147件もの相談が寄せられ、資金繰りに詰まってしまったという事です。
現在は、クラウドファンディングなどにより資金を募り、なんとか運営を継続させようと奮闘しています。
相談件数急増のワケ
この「にじいろtalk-talk」存続危機の問題は、現在社会におけるLGBT当事者の複雑な心境をまさに反映しています。
LGBT当事者の抱える悩みは非常に複雑で、誰にでも気軽に相談できるものではなく、誰かに相談をするにしてもその内容は誰にも聞かれたくありません。
そういう意味では、特に親と同居している若年層にとって、電話相談はハードルが高いと言えます。
LINEでの相談が可能となり、その手軽さと秘匿性の高さから、今まで誰にも相談できなかった若年層が、抱える悩みを一気に爆発させたのでしょう。
LGBT当事者が抱える悩み
そもそも、LGBT当事者はどのような悩みを抱えているのでしょうか?寄せられる相談の中で一番件数が多いのが、「アウティング」に関することです。
アウティングとは、本人の承諾なく、本人が公表していない性的指向や性自認を第三者に公表する事を言います。
例えば、LGBT当事者が、会社の上司に絶対に秘密にするという前提の基にLGBTであることをカミングアウトしたのに、そのことを上司が他の社員に話してしまったという事例です。
アウティング被害は、LGBT当事者にとって大変重大な問題です。過去には、同性愛者であることを暴露された大学生が校舎から飛び降り自殺をした事件も発生しています。
アウティングはプライバシー権を侵害する事となり、本人の承諾なくカミングアウトした当事者は、損害賠償責任を負う可能性があります。
その他にも、個人によって様々な悩みを抱え、誰にも打ち明けられずに苦しんでいるLGBT当事者は大勢います。
カウンセリング施設
ここでは、国内の代表的なLGBT専用カウンセリング組織を紹介します。
特に、運営者やカウンセラー自体がLGBT当事者であることがほとんどなので、親身になって相談に乗ってくれるはずです。
セクシャルマイノリティに関して悩んでいる方は、気軽に相談してみて下さい。