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パートナーシップ制度と結婚の違いとは?

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2015年、東京都渋谷区において日本で初めて導入され、大きな話題を呼んだパートナーシップ制度。

この出来事を皮切りに、全国では約65%にあたる255もの自治体がパートナーシップ制度の導入を終えています(2023年1月現在)。

ところが、パートナーシップ制度の名前自体は全国的に認知されるようになったものの、結婚との違いが不明確など、その中身についてはまだまだ周知不足な状態が続いています。

そこで、今後ますます広がりをみせるであろうこのパートナーシップ制度について、この記事では詳しく説明していきます。

パートナーシップ制度と結婚

パートナーシップ制度

まず、パートナーシップ制度とはどういうものなのか?

この制度の根拠は、各都道府県等が定める条例です。

東京都渋谷区を例にとると、「渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」の第4条に、「パートナーシップ 男女の婚姻関係と異ならない程度の実質を備える戸籍上の性別が同一である2者間の社会生活関係をいう」と定めています。

「異ならない程度の実質」という言い回しがまた絶妙ですが、とにかく、「婚姻関係にある男女とほぼ変わらないですよ」ということをこの条例は言いたいわけです。

結婚

対して、結婚とはどういうものか?

結婚(婚姻)の根拠は、日本国憲法にあります。

憲法第24条には、「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない」とあります。

ちなみに、この条文に「両性の」という言葉があるだけで、日本では同性婚が認められておりません。

パートナーシップ制度と結婚の違い

憲法と条例

先ほど少し触れたように、この二つの大きな違いは、結婚は憲法で定められているのに対し、パートナーシップ制度は条例で定められているという点です。

パートナーシップ制度を定める条例は、法の最高位である憲法と比べると、いろいろなところで弱い部分が見えてきます。

例えば、婚姻した男女は、離婚か死別をしない限りは永遠にその関係が続きます。

しかし、既にパートナーシップの関係にある二者がパートナーシップ制度の無い自治体に引っ越した場合、パートナーシップ証明書は前の自治体に返却しなければならず、当然新しい自治体では赤の他人として扱われます。

 

出来ること、できないこと

次に、パートナーシップ制度と結婚は何が出来て何ができないのかを下の表にまとめました。

この比較を見てみると、やはり憲法と条例の違いがわかります。

パートナーシップ制度は、基本的には結婚と同じ扱いを受けられますが、条例の守備範囲を超えた場合は適応不可となるようです。

例えば、遺産の相続については「相続法」、戸籍や住民票の記載については「戸籍法」で定められており、これはやはり条例の上位に位置するもの。

緊急手術等の付き添いについは、法律的規制はないものの個人情報保護の観点から家族以外の付き添いは原則禁止されているようです。

仮にパートナーシップ制度で婚姻関係同等と見られていても、やはり憲法で同性婚を禁止している以上、肝心な場面では家族とみなされないというなんとも煮え切らない状態なのが、今のパートナーシップ制度の現実なのです。

パートナーシップ制度の今後は明るい?

実は日本では、パートナーシップ制度の内容についてもっと前向きに見直していこうという動きがあります。

東京五輪をきっかけとして、東京都を中心に「多様性の尊重」についての重要性を認識し始めたのです。

五輪憲章が示す意味の一つに、「性別、性的指向による差別の禁止」というものがあり、開催国の日本としては、五輪憲章に背くような立場をとれるはずがありません。

パートナーシップ制度を導入する自治体も年々増加し、やがては全ての都道府県が導入すると見られています。

そうなれば、同性婚に関する議論も活発化することでしょう。

パートナーシップ制度の今後は、決して悲観的に見る必要はなくはなくむしろ明るい未来が待っていると言えるのです。

まとめ

以上、パートナーシップ制度と結婚の違いについて解説してきました。

残念ながら、法律と条令の力の差は歴然であり、パートナーシップ制度の現状を改善することは難しいかもしれません。

しかし、パートナーシップ制度の未来は開けていて、明るい光が差し込んでいます。

今後、LGBT後進国である日本が、世界の人権先進国に対してどのようにアピールしていくのか?注目していきましょう。

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