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【落胆】一体なぜ?LGBT理解増進法案の成立断念。わかりやすく解説

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落胆

先日、驚愕のニュースが飛び込んできました。なんと、今国会での成立を目指して討議されていた「性的指向及び性同一性に関する国民の理解増進に関する法律」(以下、「LGBT理解増進法」)が、ほんの一部の自民党議員の反対により成立が見送られたのです。

私はこのニュースを聞いた時、腸が煮えくり返る思いをしました。

これまで、日本という国はずっと「LGBT後進国」と言われ続けてきました。それもそのはず、国会の場において某議員が「LGBTは生産性が無い」と差別的な発言をするなど、そもそも為政者達の理解が低すぎるのです。

そんな日本でも、LGBT理解増進法が成立に向けて検討されたと聞き、「ようやくLGBT後進国から脱するのかな?」と思い始めた矢先の出来事が、この成立断念のニュースだったのです。

一体なぜ?どういう経緯で成立断念となってしまったのか?

LGBT理解増進法とは?

まず、LGBT理解増進法とはどういう法律なのかを説明します。

この法案は、自民党内にある「性的指向・性自認に関する特命委員会」が中心となり、成立に向けて推進していた法案です。同法は、罰則や何かしらの強制力を持たせるという性質のものではなく、あくまで日本国民に対しLGBTに関する理解を深めることを目的としたものです。

お世辞にもLGBTに関する理解が高いとは言えない今の日本の状況を鑑みれば、まずは理解を広めようとするこの法案はなかなか合理的で、将来的には、様々なLGBT関連の施策を、この法案を基に行われていくことが期待されています。

そもそも、この法案が発案された背景としては、2020年に東京で開催される予定だった東京オリオンピック・パラリンピックの存在がありました(新型コロナウイルスの影響により、2021年まで開催延期)。日本政府としては、「日本はLGBTに関する理解が高い国である」ということを世界にアピールしたいという狙いがあったとされています。

この件に関しては、「LGBTをアピールの道具として使っているだけ」という見方もあり、日本政府が如何にLGBTを軽視しているかということが伺い知れます。

成立断念

このように、一見すれば何の害悪もなさそうなこの法案だったのですが、自民党の保守派議員たちが”ある部分”に食いつきます。彼らが食いついた”ある部分”とは、この法案の基本理念に盛り込まれた「差別は許されない」というたった一行の文言だったのです。

差別は許されない・・・一体何が問題なのでしょうか?何か間違っていることを書いているのでしょうか?日本国憲法の第14条(法の下の平等)においても「全ての国民は(中略)差別されない」と書いてあります。差別が許されないのは、あたりまえだと思うのですが・・・。


しかし、そんな常識を理解できない議員たちが一定数存在するのです。彼らはこの文言に対し、「行き過ぎた差別禁止運動に繋がる」「訴訟が頻発する」と反対の声をあげて法案の成立を妨害し、ついには成立見送りにまで持っていったのです。

確かに、確率論で考えれば差別禁止運動も訴訟も発生しない可能性はゼロとは言えないでしょう。しかし、いずれにしてもそれは自分たちが行政的に処理すればいいだけの話であって、同法案を反対する理由にはなりません。それでも反対をするというのは、行政処理する自信がないのか、又は始めから面倒くさい案件を持ち込みたくないだけなのか、と邪推すらしてしまいます。

根底に有る”LGBT軽視”思想

今回の件で改めて浮き彫りとなったのは、為政者側に根強く残るLGBT軽視の思想です。

LGBT当事者の人たちは、周囲から理解を得られずに日々苦しい思いをしている人が大勢いるのです。中には、自ら命を絶ってしまうという悲しい事件すら起こってしまっているのです。

今、この日本という国において、LGBTに関する理解の拡大は急務であると言えます。これは、オリンピック・パラリンピックの開催時期は関係ありません。

しかし、対面だけを気にして法案成立に踏み込めないというのは、「LGBTの問題は後回しでいい」というLGBT軽視の気持ちの表れなのでしょう。

恐らくこの法案は、いつか成立する時を迎えると思います。しかし、LGBTに関する理解が低い議員がいる限り、成立までに長い時間がかかってしまうことが予想されます。

本法案の成立には、LGBT当事者だけでなく多くの国民が期待を寄せていることを為政者側は強く認識してもらいたいものです。

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