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【同性愛宣伝禁止法も】LGBT後進国ロシアがヤバい・・・

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LGBT後進国ロシア

先日、LGBT理解増進法案の成立見送り及び国会議員のLGBTに対する差別発言を受け、自民党本部前で行われたデモ行進が話題を呼びました。日本は、世界から比べるとまだまだLGBT後進国ではあるものの、LGBT当事者をはじめとする国民全体の「差別をなくそう」という意識が徐々に高まりつつある、そんなことを感じさせた出来事でした。

しかし、世界を見渡してみると、LGBT関連のデモ活動すら禁止されるなど「これだったら日本の方がまだマシ」と思いたくなるようなLGBT差別の強い国が多々あります。かつてはアメリカと世界の覇権を争ったこともある大国「ロシア」も、実はLGBT後進国のうちの一国なのです。

今回は、そんなロシアにおけるLGBT事情について紹介していきたいと思います。

同性愛嫌悪の思想

ロシアには、”同性愛者を嫌悪する”という思想が伝統的に存在します。ロシアは多民族国家であり、国内には多種多様な人種と宗教が混在している状況といえます。しかし、その中でも比較的多く普及している宗教が、基本的に同性愛者を許容しない宗教として有名なキリスト教やイスラム教なのです。

そのような宗教上の考え方に加えて、ロシアという国民性も相まって、同性愛者嫌悪の思想が根強く残っているのではないか、とも言われています。

同性愛宣伝禁止法

ロシアでは、『同性愛宣伝禁止法(邦名)』という法律が存在します。この法律の目的は、未成年を同性同士の性的描写から守ることにより、健全な発育に資するというものなのですが、その実は、この法律を根拠としてLGBT当事者たちの日常行動まで規制されかねないというものなのです。そして、実際にその法律が適応された事案も発生しています。

ロシア出身のフェミニストであるユリア・ツヴェトコバさんは、自身が運営するLGBT関連のインターネット・コミュニティがこの法律に違反していると指摘される事件が起きました。その後の裁判の結果、5000ルーブル(日本円で約90万円)もの罰金が科せられたと言います。

確かに、やや性的な描写がされていたとはいえ、そこ辺はツヴェトコバさんも認識していて、コミュニティの参加に18歳未満を禁止するという処置を行っていました。それでも摘発されてしまうというのは、ロシアの根底に蔓延る同性愛嫌悪のためなのか?

殺人事件にまで発展

2019年、ロシアのLGBT当事者たちを恐怖のどん底に陥れる出来事が起こります。ロシアのLGBT活動家であるエレーナ・グリゴリエワさんが、何者かによって殺害されるという事件が発生します。

事件発生前、グリゴリエワさんは、反LGBT団体「Pila(ピラ)」が掲げる“同性愛者狩り”の標的リストに自身の名前が載っているのを見つけると、「これは単なる脅し」というメッセージを添えてSNS上で拡散させていました。

そしてその投稿から数週間後、グリゴリエワさんは遺体となって発見されたのです。グリゴリエワさんの体には、刃物で刺された跡が数カ所残っていたことから、殺人事件として見られています。

結局、Pilaと事件の関係性については解らなかったものの、ロシアのLGBT当事者を震え上がらせるには十分すぎる事件でした。

ロシアの今後

その他にも、同性愛者というだけで脅迫や暴行を加えられたり、虹色をしたお菓子が「LGBTを連想させる」という理由で批判されたりと、まるで世界の潮流に逆らうかのように、ロシア国内ではLGBTへの嫌悪が強まる一方です。

世論調査の結果を見ても、「LGBTを非難すべきだ」と答えた人は全体の8割を超え、年々増加傾向にあると言われています。さらに、2020年の改憲では、前述した同性愛宣伝禁止法に「結婚は男女がするもの」と書き加えられ、事実上同性婚が禁止されたことも触れておかなければなりません。

ロシアの大地に吹き続けるLGBTへの逆風。LGBT当事者たちが安心して日常生活を送ることができる日は、果たして来るのでしょうか?

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