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世界を動かしたテイラー・スウィフトのLGBT支援活動とは?

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著名人の発言は政治に影響を与える

1971年、ビートルズのメンバーであるジョン・レノンが、アルバム「IMAGINE」をリリースしました。

このアルバムは、イギリス、アメリカ、日本など世界中で大ヒットし、各国の音楽チャートランキングを総なめにしました。そのなかでも、アルバムの題名にもなった「IMAGINE」はジョン・レノンの代表作とされ、今でも多くの人から愛されている曲です。

実はこのIMAGINEという曲は、政治的なメッセージが強く込められている曲でもあります。

歌詞では、ベトナム戦争が泥沼化しそれでも戦争をやめようとしない政府を痛烈に批判しています。

当時の若者達は、ジョン・レノンの思想に共感し、大規模な反戦デモへと発展していきます。

一人の音楽家が、世論を動かしたのです。このように、著名人の発言は、世論に対して大きな影響力を持つといえます。

テイラー・スウィフトの「You Need To Calm Down」

テイラー・スウィフトといえば、アメリカ出身のアーティストであり、世界的なヒット曲を量産し、グラミー賞を10回受賞するなどの輝かしい功績を持つ、今最も有名なアーティストの一人と言えるでしょう。

そんな彼女が、2019年、アルバム「You Need To Calm Down」をリリースし、話題となりました。

このアルバムの題名にもなっている「You Need To Calm Down」という曲は、とある強烈なメッセージが込められています。

それは、LGBTに対する差別を批判するというものでした。

歌詞の中で、「When you could be GLAAD」と出てきますが、これは「喜び」という意味の「GLAD」に、LGBT支援の活動をしている非政府団体「GLAAD」をかけたもので、LGBTに対する差別を排除しようとする彼女の思想を表現したものです。

この曲は、LGBT支援に大きな功績があったとして、「Vanguard Award(ヴァンガード賞)」を受賞しています。

「平等法」への署名活動

テイラー・スウィフトは、「You Need To Calm Down」のPVにおいても、いろいろなメッセージを送っています。

このPVには、歌手であり俳優でもあるアダム・ランバードや、女優のエレン・デジュネレスなど、自らLGBTであることを公言している著名人が多数出演しています。

内容は、LGBTに批判的な勢力に抵抗するようなストーリーとなっており、PVの最後には「国レベルで市民全員が平等に扱われるように要求し、私達のプライドを示しましょう」というメッセージとともに、「平等法」の成立に向けたオンライン署名を求めるものとなっています。

このPVの効果で、約50万人もの署名が集まり、LGBTの差別を撤廃しようとするムーブメントを起こしました。

そして、重い腰を上げようとしないトランプ政権を痛烈に批判しています。

ちなみに「平等法」とは、LGBTの人々を差別から保護する事を目的とした法案のことで、雇用、住宅、信用、教育、公共施設やサービス、各種助成金、選挙権などの分野において性的差別を禁止するという内容となっています。

過去、2回米下院に提出されていますが、2回とも否決されています。2019年、初めて米下院を通過しました。

テイラー・スウィフトにトランプ政権がコメント

トランプ政権は、上記で紹介したようなテイラー・スウィフトの活動に対し、「我々は、いかなる差別にも断固として反対し、すべての人たちが平等に扱われるべきだと考えている。

しかし平等法は、出産に係る親権等の権利を侵害する恐れがある」というコメントを返しています。

一個人の発言に対して権力組織である政権がコメントするということは極めて異例な事であり、彼女の発言や行動は、世界の常識すら変えてしまうほどの大きな影響力を秘めていることが証明されたとも言えます。

テイラー・スウィフトの今後に期待

正直、アーティストが自身の活動の中で、一方に偏った政治的な発言をするという行為は、非常にリスキーであると思います。

ファンの中には、発言の主旨を理解せず、盲目的に支持してしまう層が必ずいるからです。

一方で、彼女の行為によって、LGBT差別の撤廃に向け世界に大きな影響を与えたことは事実であり、差別撤廃に向けて大きく一歩を踏み出したとも言えます。

残念ながら平等法は、その未成熟さゆえ米上院を通過することは難しいといわれています。

しかし、ジョン・レノンの歌が世論を動かし、結果的に戦争を終結させる一翼を担ったのと同じように、彼女の活動がいつしか実を結び、すべてのLGBT当事者が性的差別を受けることのない時代が来るでしょう。

今後のテイラー・スウィフトの活動に期待しましょう。

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