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LGBT差別禁止法案が米下院で可決。その影響は?

2021年2月25日、とても興味深いニュースが世界を駆け巡りました。アメリカ合衆国下院において、LGBT差別禁止法案が賛成多数で可決されたのです。
喜ばしいニュースであることには違いないのですが、この出来事は、LGBT差別を巡る問題において一体どういう意味を持つのでしょうか?
詳しく解説していきたいと思います。

LGBT差別禁止法案とは?

まず、LGBT禁止法案とはなにかについて解説します。
この法案は、別名「平等法案」とも言われており、簡単に言えばLGBTであることを理由に差別することを禁止する法律です。
今日では、LGBTだからという理由だけで会社を解雇される、結婚が出来ないなど、LGBT当事者が日常生活を営む上で社会的不利益を受ける場面が数多くあります。
この法律が整備されれば、LGBT当事者は社会的な差別を受けることがなくなり、LGBTの適切な認識を広めるための大きな足掛かりとなりえるのです。

アメリカ合衆国議会

続いて、アメリカ合衆国の議会について簡単に触れておきます。
アメリカの議会には、下院と上院の二つがあります。
下院とは、総勢435議席で構成されていて、例えるならば「国民の代表」といった感じです。
それに対して上院とは、総勢100議席で構成されていて、例えるならば「州の代表」といった感じです。一般的には、上院の方が下院よりも審議機能が強いとされています。

今回、この法案が通過したのは米下院。これから先は、上院で審議されることとなります。

恒久的な法案可決は厳しいか?

残念なことに、この法案が上院を通過する可能性は低いと見られています。
この法案が上院を通過するためには、全体で60以上の賛成票を集めなければなりません。
下院における審議では、賛成224に対し反対が206となかなかの接戦。反対票を投じている議員の多くが共和党保守派の議員たち。
そして、今後審議される上院では、その共和党保守派の勢力がかなり強いという構図なのです。

反対の理由

そもそも、この法案に反対票を投じている議員は一体何が反対なのでしょうか?
それは、「宗教上の理由」によるものです。
アメリカで最も普及している宗教はキリスト教ですが、新約聖書には「偶像崇拝や婚前性交渉、魔術や占いをする者と共に『男色する者』は神の国を相続しない」と書かれているのです。
もちろん、倫理や道徳の観点から「同性愛を許容すべきだ」と主張する勢力もあるのですが、まだまだ同性愛を否定的にとらえる保守的クリスチャンが多いのが悲しい現実です。
従って、この法案が成立してしまうと、「同性愛を理由に会社をクビにできなくなる」ということが起こります。
「それってまさに差別じゃん!」って思う方も多いと思いますが、アメリカは『自由の国』です。LGBTの人間をクビにできないということは、『解雇する自由』を否定することになってしまうのです。

自由って・・・一体なんなんでしょうか?

まとめ

ということで、LGBT差別禁止法案が米下院で可決されたものの上院での通過は厳しそう(宗教上の理由で)・・・というニュースを解説してきました。
それにしても、「宗教上の理由」って日本人にはなかなか理解しがたい理論ですね。
なんせ世界では、そんな「宗教上の理由」が原因で戦争まで起こっていますから。解決するにはあと何百年かかることやら・・・

しかし、上院通過は厳しそうでも、下院を通過したということはとても明るいニュースです。
この積み重ねがやがて、LGBT差別を無くすべく大きなムーブメントとなってくれるに違いありません。