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トランスジェンダーの性転換治療は何歳から可能なのか?

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心と身体の性別が異なるトランスジェンダー

心と身体の性別が異なるトランスジェンダー。そんな彼/彼女たちの中には、いつかは性転換手術を受けて心と身体の性別を一致させたい、という願望を持つ方が数多くいます。

「自分らしく生きたい」と願うのが人間ですので、これはごく自然な発想と言えるでしょう。

しかし、ここで疑問に思うのは、一体何歳から治療を受けるべきなのか?という問題です。

当事者からすれば、治療費やその他の条件さえクリアできれば一刻も早く治療を開始したいと思うかもしれませんが、あまりにも早過ぎたら、例えば身体がまだまだ成長する思春期に治療を開始したら、何かしらの悪影響が出るのではないだろうか?と考えてしまいます。

トランスジェンダー(性同一性障害)の治療は何歳から可能か?そして、身体にはどのような影響が及ぶのか?今回は、この点について深掘りしていきます。

性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン

実は、性同一性障害の治療に関しては、ホルモン治療は15歳から(2年以上の経過観察の必要あり)、性別適合手術は成人に達してからと決まっているのです。

これは、社団法人日本精神神経学会が発表している「性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン」というものに明記されています。細部をご覧になりたい方は、こちらのURLからご確認ください。

https://www.jspn.or.jp/modules/advocacy/index.php?content_id=23

以前までは、ホルモン治療が18歳以上、性別適合手術は20歳以上だったのですが、2017年の改正において年齢制限が引き下げられたという形になっています。

なお、性別適合手術の条件である「成人」ですが、日本では、2022年4月から18歳が民法上の「成人」と制定されていますので、18歳に達すれば手術OKということになります。

経過観察?

ここで着目しておきたいのは、15歳でホルモン治療に移るための「2年以上の経過観察」という言葉です。そしてこの「経過観察」というのが、なかなか一筋縄にはいきません。

まず、本人がクリニック等に来院して受診し、性自認の確認をしなければなりません。さらに、学校に所属するカウンセラー、学校の先生、両親などが幾度となくクリニックに来院し、話し合いを重ねる必要があります。

それらの手続きを踏んだうえで、外部機関の人間を含めた「ジェンダークリニック適応判定会議」が開かれます。ここで承認され場合にのみ、ようやくホルモン治療が開始されるのです。

これらの経過観察が2年間必要ということですから、なかなか先の長い話と言えるでしょう。

モルモン治療のリスク

なぜここまでホルモン治療に慎重になるのか?それは、ホルモンの投与が、少なからず人間の身体に影響を与えるからです。

ホルモン治療には、以下のような副作用を引き起こす可能性があると言われております。

FtM(女性から男性):肝機能障害、体重の増加、汗腺症、頭髪の減少、生殖機能の喪失

MtF(男性から女性):心筋梗塞、脳梗塞、貧血、乳がん、前立腺の萎縮、生殖機能の喪失

特に生殖機能については、喪失してしまえばもう二度と元に戻ることはありません。それが、18歳未満というまだ精神的に未熟な時期であれば、治療すべきかどうかという判断は慎重になるべきなのかもしれません。

まとめ

心と身体の性別が違うという問題は、当事者にとってみれば深刻な悩み。精神を病んだ挙句うつ病にかかったり、最悪の場合は自殺してしまう方もいます。

そのように考えれば、条件さえ整えば15歳の時からすでに治療が開始できるというのは、当事者からすれば精神的に心強く感じるに違いありません。

さらに、これから医療が進化していけば、今よりも少ないリスクで治療に移行できるかもしれません。そうなれば、セクシャルマイノリティの方も含め、すべての国民が自分らしく生きる世の中に向けた大きな一歩になることでしょう。

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