CULTURE

【教育・教材】LGBTをテーマにした絵本6選

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LGBT絵本が静かなブーム

 近年は、空前の絵本ブームと言われています。

少子高齢化をものともせず、絵本の売上は右肩上がりとのことです。絵本にもいろいろな種類があり、0歳児用、1~2歳児用など、対象年齢が細かく設定されているものもあります。

また、「浦島太郎」や「桃太郎」のような古典的昔話から、奇抜なストーリーのもの、大人が読んでも感動する話など、ラインナップも豊富です。

 そんな中、今静かに注目されているのが、「LGBT」をテーマとして取り上げた絵本です。

一昔前まではあまり見かけなかった分野ですが、近年になって出版数が伸びてきたのは、LGBTに関する認識が幾分か広まり、社会的に寛容になってきたという時代背景があるように思われます。

また、子供に読み聞かせ、性の多様性について早期に教育することにより、将来的にはLGBTに対する差別や偏見をさらに減少させるという効果も期待されています。

 本日は、そんなLGBTをテーマとした絵本を6つ紹介したいと思います。

女の子になりたい男の子 LGBTって何?

男の子がお化粧をすることも、スカートを履くことも、男の子のことを好きになることもすべて自由であり、その人の個性である、というのが著者の主張であり、読み終わると非常に気持ちが前向きになれる本です。

「L」「G」「B」「T」とはそれぞれ何であるかを子供にわかりやすく説明しており、入門本としては最適です。

 第2回絵本出版賞で優秀賞受賞した作品でもあります。

出版社:みらいパブリッシング 著:森本森も

「ふつう」ってなんだ?

幼い子供というよりは、小中学生を対象にして作られた本です(絵本というか漫画です)。

 性別は、単純に「男」と「女」に分けられるものではなく、そのグレーゾーンに位置する人がクラスに必ず2~3人はいる。日常的に繰り広げられるの学校生活を通して性の多様性を教えてくれます。

 絵が丁寧に描かれており、読みやすく、誰が読んでも内容がスっと頭の中に入ってきます。

出版:学研プラス 著:ReBit、薬師見芳、中島潤

王さまと王さま

女王様に言われて結婚相手を探すこととなった王様ですが、世界中のお姫様と会ってみてもしっくりくる相手に出会えません。そんな王様の心を射止めたのは、以外にも「男性」である王子様でした。

 オランダ発祥のこの絵本は、いろんな言語で翻訳され、世界中で読まれています。人を愛するということはどういうことなのか、そんな疑問を読者に投げかける良作です。

出版:ポット出版 著:リンダ・ハーン、スターン・ナイランド

タンタンタンゴはパパふたり

 実話をもとにしたこの絵本は、オス同士のペンギンがパートナーとなり、子育てに挑戦するといった内容です。

 メスに興味を示さないオスペンギンのロイとシロは、いつも一緒に行動しています。しかし、オス同士ですので当然卵は生まれません。

しかし、ほかのペンギンが卵を温めているのを見て、近くにあった石を卵に見立てて温めるのでした。

 苦労を乗り越えて幸せを掴む二匹のペンギンの姿は、多くの読み手に感動を与えてきました。子供だけでなく、大人にもオススメの一冊!

出版:ポット出版 著:ジャスティン・リチャードソン、ピーター・パーネル

 

ふたりのママから、きみたちへ

 とあるレズビアンカップルは、念願の結婚式を挙げて、さらに子供を作ることを計画します。

しかし、周囲は受け入れてくれるのか、生まれてくる子供は母親が二人いることについてどう思うのか、などいろいろな問題がふたりを襲います。

家族のかたちについて考えさせられる一冊になっています。

著者は、宝塚歌劇団出身でLGBT活動家の東小雪さんです。

出版:イースト・プレス 著:東小雪、増原裕子

恋の相手は女の子

作者自身がLGBTであり、同性を好きになることについて疑問を抱きながら、誰にも打ち明けられないという自身の辛い体験を元に作成された絵本です。

LGBT当事者にとって最大の問題点である「カミングアウトすべきか」について触れる内容になっております。

読み終わる頃には、あなたはきっと涙するはずです。

出版:岩波ジュニア新書 著:室井舞花